- Webマーケティングに興味があって、どんな仕事なのか知りたい
- Webマーケターへの転職を考えていて、業務内容への理解を深めたい
- 本を読んでも具体的な仕事内容がイメージできず、自己PRを書くときに困ってる
本記事ではこういった方々向けに、現役Webマーケターの僕が、超具体的に仕事内容を解説していきます!
専門用語はなるべく使用せずに解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
僕の経歴
- 大学卒業後にメガバンク入行。20代後半で未経験からECベンチャーのWebマーケターになりました。
- 現在は事業部のヘッドとして、戦略企画から施策の実行まで担当しています。
Webマーケティングの仕事内容
Webマーケターの仕事内容は大きく分けて3つです。
- 集客施策
- 販売施策
- リピーター施策
以下、それぞれ解説していきます。
集客施策とは?
集客施策とは、お客さんにあなたのWebサイトを訪問してもらうための施策です。
例えば、あなたがTシャツを販売するオンラインストアを開設したとします。しかし、オンラインストアを開設しただけでは、お客さんは来ませんよね?
まずは、あなたのお店の存在を知ってもらう必要があります。ここでやるべきことが集客施策です。
具体的には、下記のような方法があります。
- SEO対策(例:Googleの検索結果で上位表示されるようにする)
- Web広告(例:Googleリスティング広告を配信する)
- SNS運用(例:InstagramでTシャツの写真を定期的にアップする)
- モール出店(例:Amazonに出品する)
- アフィリエイト広告(例:アパレル系のブログメディアに紹介してもらう)
どの施策をやるにせよ、コストと時間がかかります。そういった要素を加味しつつ、結果が出る施策を実行していくことがWebマーケターの仕事です。
そこで、販売施策が必要になります。
販売施策とは?
販売施策とは、お客さんに商品を買ってもらうための施策です。
まったくブランド力のないTシャツが売れまくるということは無いはずです。どれだけ集客しても売れないものは売れません。
購入してもらうためには、下記のようなことをやる必要があります。
- あなたが作ったTシャツは何がいいのか、なぜ購入すべきなのかを適切に伝える
- 購入しやすいようにWebサイトの設計やデザインを工夫する
- アクセス解析して、どこで離脱しているかを見極め、購入までのフローを見直す
そして、最後に紹介するのが、リピーター施策です。
リピーター施策とは?
リピーター施策とは、お客さんに継続的に購入してもらうための施策です。あなたのブランドのファンを作ることとも言えます。
商売をやる上でリピーターはとても大切です。理由は下記の3点です。
- 商品購入時の単価が高い(たくさん商品を買ってくれる)
- 集客コストがかなり低い(広告とか出さなくてもWebサイトを見にきてくれる)
- 口コミで友達を紹介してくれる(あなたのブランドの良いところを伝えてくれる)
オンラインストアを開設してある程度時間が経つと、売上の50%以上がリピーター経由ということもよくあります。
リピーター施策としては、以下のようなものがあります。
- 会員制の導入
- メルマガ配信
- SNSによる交流
- オンラインサロン
こういったことを考えるのも、Webマーケターの仕事の一つです。
Webマーケティング施策の種類(具体例を紹介)
ここまで、いくつか具体的なWebマーケティング施策をご紹介しましたが、ここでは一つ一つの施策について、もう少し詳しく解説していきます。
代表的な施策10選
- Web広告運用(Google・Yahoo・SNSなど)
- SEO対策(メディア運営)
- アフィリエイト広告
- SNS・YouTube運用
- Web制作
- モール出店(Amazon・楽天など)
- メールマガジン・LINE配信
- キャンペーン・プロモ企画
- 商品企画
- マーケティング戦略策定
以下、それぞれ解説していきます。
1. Web広告運用(Google・Yahoo・SNSなど)
Web広告とは、Web上のメディアに出稿する広告のことです。例えば、Google広告や、Yahoo!広告、Facebook広告などがあります。
そして、Web広告運用とは、Web広告の成果を最大化させるために、広告を改善していくことです。
Googleリスティング広告を例にすると、広告を改善するために下記のようなことを行います。
- 広告を出すキーワードの見直し
- 広告文の修正
- 入札戦略の変更
Web広告では、クリック数や商品の購入件数などのデータを詳細に集めることができるので、PDCAを回して、より良い広告を追求していくことができます。
2. SEO対策(メディア運営)
SEO(Search Engine Optimization)対策とは、GoogleやYahoo!などの検索結果で自社のWebサイトを上位表示させるための施策です。
SEO対策の手法は色々ありますが、最もメジャーなのはブログメディアを持つことです。
例えば、Googleで「青汁 おすすめ」を検索すると、青汁通販会社のFANCL(ファンケル)が書いたブログ記事が検索結果の1ページ目に出てきます。
FANCLは青汁に関する記事でトラフィックを集めることで、青汁カテゴリーにおけるGoogleの評価を高めることができます。 結果、他の青汁関連キーワードでもFANCLが上位表示されやすくなります。
また、この『青汁のおすすめの飲み方』を案内する記事ですが、記事を読み進めるとFANCLの青汁が紹介されています。
3. アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、自社の商品を他人のメディア(ブログ、SNSなど)で紹介してもらう代わりに、紹介手数料を支払うという広告手法です。
この広告の特徴は成果報酬型であることです。紹介手数料は、1件商品が売れるごとに2,000円などと定められています。
例えば、先ほどの「青汁 おすすめ」で検索して、上位に表示されるmybestというサイトがあります。
ここでは、いろんなメーカーの青汁がランキング形式で紹介されていますが、商品購入ページへ行くためのリンクはほぼアフィリエイトリンクになっています。
なので、ユーザーがこれらのリンクから商品を購入すると、メーカーからmybestに紹介手数料が支払われます。
メーカーからすると、mybestのようなSEOに強いサイトで自社の商品を扱ってもらえると、一気に商品の認知度が上がるので、アフィリエイト広告に取り組むメリットは大きいです。
4. SNS・YouTube運用
こちらは自社でSNS(Instagram、Twitterなど)やYouTubeのアカウントを作って運用するという施策です。
しっかりとコンセプトを作り込んで、戦略的に運用しないとフォロワーは増えないので、難易度は結構高いです。
しかし、フォロワーが増えればものすごく価値のある資産になります。
こちらの古着女子というInstagramアカウントでは、古着のかわいい着こなしを紹介しており、フォロワー数は28万人です。
定期的に自社ブランドの古着を紹介して、売上に繋げています。
5. Web制作
Webサイトやランディングページ(商品販売用の1枚のページ)を制作するとき、Webマーケターがサイト設計するケースが多いです。
なぜなら、SEO対策やセールスライティング(商品を売るための文章作成)を行う必要があるからです。
またアクセス解析を基にサイト設計やデザインを見直すこともあるので、やはりWebマーケターが指揮を取ることになります。
6. モール出店(Amazon・楽天など)
Amazonや楽天などのモールに出店するというのもWebマーケティング施策の一つです。
Amazonで売れる理由は、利用するユーザーが多い、信頼性がある、購入しやすいサイト設計などがあります。
しかし、Amazonには競合が多いですし、出品にはコストもかかるので活用法をしっかり考える必要があります。
7. メールマガジン・LINE配信
メールマガジン・LINE配信は、顧客との関係性を深めるための施策です。
メールマガジンに登録している人や、LINEアカウントを友達追加している人に対して、定期的にお得な情報を配信することで、自社の商品を継続的に買ってもらうことができます。
SNSやYouTube、ブログ記事などで情報発信するのと違うところは、高確率でメッセージを読んでもらえる点です。
なので、顧客との信頼関係を構築するのに向いています。
8. キャンペーン・プロモ企画
こちらはマーケティング全般の話なのですが、Webを使うことも多いので取り上げました。
「〇〇キャンペーン実施!今ならなんと半額!」みたいな広告を見たことありませんか?
何かのイベントに関連付けて、期間限定の割引を行うことで、一気に大きな売上を上げる(or 知名度を高める)狙いの施策です。
例えば、正月キャンペーンやクリスマスキャンペーンなどです。
こういった時期は消費者の財布の紐が緩んでいるので、高額な商品も売れやすくなります。
9. 商品企画
新商品の企画や商品のリニューアルなど、Webマーケターが担当することが多いです。
ただ、商品企画は会社の競争力にかなり影響するので、Webマーケターの中でも上位レイヤーにいる人(事業責任者など)が、経営層と協議しつつ、プロジェクトを進めることが多いです。
10. マーケティング戦略策定
こちらも事業責任者クラスの人が担当する業務です。マーケティング戦略策定においては、下記のようなことを行います。
- 年間予算、PL計画の策定
- 具体的な施策案出し
- 人材配置・育成に関する計画の策定
- これらの計画の進捗管理
会社の成長を左右する重要な計画なので、経営層と一緒になって進めていく業務になります。というわけで、Webマーケティングの施策を10こご紹介しました。
会社のタイプ別業務内容と仕事の流れ
ここまでWebマーケターの仕事の種類について説明してきましたが、「どの会社に行けばどの業務ができるんだろう?」と思いませんでしたか?
というわけで、会社のタイプ別に業務内容や仕事の流れを紹介していきたいと思います。
まずは会社のタイプを知っておく必要があるので、ここでさくっと説明させてください。
Webマーケティング会社の種類
Webマーケティング会社は下記のように分類できます。
- 事業会社(EC企業、メディア企業)
- 支援会社(広告代理店)
事業会社とはEC企業やメディア企業のことで、自ら事業を行っている企業です。
一方、支援会社は、事業会社のWebマーケティング業務をサポートする企業です。
広告代理店やSEOコンサルが支援会社に該当しますが、広告代理店はSEOコンサルも行っている場合が多く、支援会社 = 広告代理店だと思ってもらってOKです。
では、それぞれの企業の業務内容について詳しく解説していきます。
広告代理店の業務内容
広告代理店とは、事業会社から広告運用を受託している企業のことです。
ここでいう広告とは、Web広告のことで、Google広告やFacebook広告などです。
主な職種と仕事の流れ
広告代理店には、Webマーケティングに関わるところで、主に下記のような職種の人たちがいます。
- 営業(コンサル)
顧客の窓口になる人。お客さんの広告運用に関する課題をヒアリングして、ソリューションを提案するのが仕事。提案が受け入れられれば、社内に持ち帰って、ディレクターに指示をする。
- ディレクター
営業から指示を受けて、ソリューションを具体的な作業に落とし込み、実行する人。自ら手を動かすのではなく、広告運用担当や、デザイナーに指示を出して作業してもらう。自らは、クオリティと進捗状況を管理する。会社によっては、営業がディレクターを兼務している場合もある。
- 広告運用担当
ディレクターからの指示に基づいて、実際にGoogleやFacebookの広告管理画面を操作する人。広告文を考えたり、キーワードを整理したり、広告を配信したりする。
広告代理店が受託する業務の種類
広告代理店は、広告運用以外の業務を受注することも多いです。例えば、下記のような業務です。
- SEOコンサル
- SNS・YouTube運用代行
- Web制作
- アフィリエイト広告代行
- モール(Amazon、楽天など)出品代行
つまり、Webマーケティング関連なら何でもですね。笑
事業会社からすると、Webマーケティング業務は外注しようと思えば、ほとんど外注できてしまいます。どこまで外注するかは、社内の人材・ノウハウや予算を勘案して決めます。
広告代理店にとっては、何でもかんでも受注していると大変なので、自社のキャパシティを見つつ、徐々に業務範囲を広げていくことが多いです。
イメージとしては、下記のような感じです。
- 中小の広告代理店・・・広告運用やSEOコンサルがメイン
- 大手の広告代理店・・・上記に加えて、YouTube・SNSの運用代行やWeb制作も対応
EC企業
EC(E-Commerce)企業とは、Web上で商品やサービスを販売している会社です。ネット通販企業や、オンラインストアなどと呼ばれることもあります。
主な職種と仕事の流れ
Webマーケティング関連で、主に下記のような職種の人たちがいます。
- 事業責任者
事業全体を統括しており、PL責任を負う立場の人です。広告運用や、SEO対策、SNS運用などマーケティング施策すべてを管理しています。
各施策の進捗について、ディレクターから報告を受けて、次の指示を出す、というような動きをします。
中小企業だと、経営者自身が事業責任者であることも多いです。
- ディレクター
ディレクターは各分野(広告運用、SEO対策、SNS運用など)のスペシャリストであり、実務を取り仕切っています。
会社の規模が大きいと、ディレクターが何人かいて、広告運用を管理する人、SEO対策を管理する人、という具合に分かれていたりします。
ディレクターは自分で手を動かすというよりも、施策を作業に落とし込んで、補佐役の担当者に指示を出します。
施策のクオリティやスケジュールの管理、効果検証などを行います。
- ディレクター補佐
ディレクターの指示に従って、実際に手を動かす人たちです。広告運用担当ならGoogleやFacebookの広告管理画面を操作します。
ブログメディアの記事を書くのであれば、実際にライティングします。
キャンペーンを行うのであれば、必要な資料の作成や、顧客への案内メール送信など行います。
大きい会社だとやることが明確に分かれていますが、中小企業だと割と何でもやるイメージです。
メディア企業
メディア企業とは、価値ある情報を提供することで集客し、広告費で稼いでいる企業です。自社商品を持っていないことが特徴です。
主な職種と仕事の流れ
Webマーケティングに関わるところでは、主に下記のような職種の人たちがいます。ここではアフィリエイト広告で稼ぐブログメディアを想定して記載します。
- 事業責任者
メディア事業全体を統括する責任者です。PL責任を負う立場の人です。
メディアのコンセプトや、ブランディング、SEO対策など、メディア事業の根幹部分の戦略を考える人です。
- ディレクター(編集長)
ブログメディアの記事の品質を担保する役割の人です。SEO対策を踏まえてWebサイトや記事の設計をします。
実際に執筆するのはディレクターではありません。ディレクターは記事に書くべき内容の方向性を決めて、Webライターに指示を出します。
また、記事の順位やアクセスを定期的にチェックして、今後の動きを考えます。
- Webライター
ディレクターの指示に従って、実際に記事を執筆する人です。
読者にとって分かりやすい記事になるように言葉使いを工夫したり、画像や箇条書き、装飾を使いながら、見やすいデザインの記事を作成します。
Webマーケターの1日のスケジュール(僕の場合)
具体的には、広告運用、SEO対策、Web制作、自社メディア運用(ブログ、YouTube、SNS)、キャンペーン企画、新規事業、マーケティング戦略企画、予算策定などを担当しています。
マーケティングに関わるところは全てです。なので、毎日いろんなことをやっていて、固定のルーティーンがあまり無いです。また、ベンチャーで人が少ないので、自分で作業することも多いです。
ということで、2パターンに分けて、僕のスケジュールをご紹介したいと思います。
とある一日 - 平常時
①10:00 - 13:00
これは毎日やることですが、朝一に主要なKPIをチェックします。前日の売上、広告運用の結果、ブログ記事の順位などです。
また改善すべき点があればまとめておいて、誰かに指示したり、自分で作業したりします。そして、KPIを見た後は、以下の打ち合わせをします。
- WebデザイナーとWeb制作について
- Webライターとブログ記事について
- 動画編集者とYouTube動画について
現在の進捗を確認して、課題感をヒアリングして、今日の動きをすり合わせます。これで午前中が終わります。
②14:00 - 16:00
最新の広告運用事例などを調査し、自社でも応用できないか検討します。
広告代理店が作っているメディアに目を通したり、動画を見たり、競合が配信している広告を調査したり、GoogleやFacebookに問い合わせたりします。
そうこうしているうちに、WebデザイナーやWebライター、動画編集者から成果物の確認依頼が来るので、チェックしていきます。内容を精査して修正点を指示します。
③16:00 - 19:00
経営陣にYouTubeのチャンネル運営の進捗を共有します。現在の課題感、今後の企画の方向性について打ち合わせます。
また一日の終わりに、改めて売上や広告運用の結果など、主要なKPIをチェックします。すべてのマーケティング施策のスケジュールの進捗を確認し、翌日の行動計画を立てて、仕事を終えます。
とある一日 - 新商品発売のとき
①10:00 - 13:00
新商品の発売開始にあたり、HPと広告を作っていきます。まずは競合のHPと広告を調査して、自社と競合との違いを整理していき、訴求点を明確にしていきます。
商品にもよりますが、10社以上の競合を確認します。
②14:00 - 19:00
HPの構成、記載内容を考えていきます。Webデザイナーと相談しつつ、方向性を固めていきます。案がまとまったらWebデザイナーに作業に入ってもらいます。
次は広告を作っていきます。まずはGoogleのリスティング広告です。訴求点を整理して、コピーライターに広告文を作ってもらいます。
また検索キーワードを整理して、どのキーワードでどの広告を出すか決めていきます。(広告関連の作業は広告代理店に動いてもらうこともあります)
一日で作業が終わらないので、翌日以降もこの動きを続けていきます。そして、最後に経営陣に進捗を報告して終わりです。
まとめ:Webマーケターの仕事内容を解説!
いかがでしたか? 今回、Webマーケターの仕事内容をかなり具体的に解説してみました。
未経験からWebマーケターになる方法はこちらの記事で解説していますので、良かったら参考にしてみてください。
» Webマーケターになるには?経験者が5つの方法を難易度別に解説
今回は以上です。